2019.04.25
株価は会社が獲得する将来の利益によって変動します。
会社は1年の始まりにその年の目標利益を決めます。会社が1年活動をしていく間に、予想できなかった様々なことが起こるでしょう。あるときは目標の利益よりも上振れる期待が高まり、またあるときは目標の利益よりも下振れる不安が出てくる事もあると思います。
それは会社が将来の目標として掲げた利益は、様々な要因によって常に不確実である、という事です。
この不確実性をもたらす要因のことを「リスク」と呼びます。
株価は会社の獲得する将来の利益によって変動しますから、会社の目標利益が変動すれば、株価も同様に変動します。
ある2社を例に、見てみましょう。
A社の株価(利益)を変動させる要因と、B社の株価(利益)を変動させる要因は同じでしょうか?
異なるA社とB社で、「リスク」の要因も、影響の大きさもまったく同じになる事はあり得ません。
海外と取引をしているA社であれば、為替レートの動向が利益(株価)に大きく影響するでしょう。
借金の多いB社であれば、金利の動向が利益(株価)に大きく影響するでしょう。
為替や金利だけでなく、ライバル会社の動向、消費者の動向、世界経済の動向、天気、物価、石油や農産物の価格変動などなど・・・ありとあらゆるものが、会社の目標利益を不確実にする要因、つまり「リスク」として存在しています。
A社とB社の「リスク」が同じ、という事はあり得ないのです。
「リスク」によって株価は変動しますから、大きな変動でより高い利益(株価)を期待する人は大きな「リスク」の会社を選びたいでしょう。一方、大きな変動は好まず、「リスク」の小さい会社を選びたい人もいるでしょう。
A社とB社の株価は、これまでどちらが大きな変動をしていたのでしょうか?
それを比べることができれば「リスク」の大きさの違いが分かります。そこで、統計的な手法を用いて金融商品の価格変動の大きさを計算した数値も「リスク」として表示しています。
「リスク」という同じ言葉でも、場面ごとに意味が使い分けられていたのです。
とても分かりにくいですよね。
もう一度整理してみましょう。
投資や資産運用の世界で「リスク」という言葉の意味は、次のようなものです。
→為替、金利、経済動向、など、会社の利益(株価)を変動させる要因です。
→例えば、「5%」といった形で表示されます。5%の意味は、期待するリターン(資産運用の利益)の上下の振れが年間5%程度ありますよ。という意味です。
銀行の預金や郵便局の貯金のような商品を「無リスク」と表現する場合があります。
これは、どういう意味でしょう?
それは、預金や貯金は、最初の約束通りの金利が適用され、利息(リターン)が得られる、つまり、当初の目論見に不確実性がない(目論見通りのリターンが得られる!)。という意味です。
ただし厳密には、1,000万円以内であれば国が保証してくれますが、それ以上の部分については、銀行倒産といった場合には戻ってくるか分からない。という不確実性が存在する。とも言えます。
前編をご覧になる方はこちら↓
リスクって何だ? ~前編~
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