2019.03.13
資産運用のために購入する金融商品(株式や債券や投資信託など)を「リスク商品」と呼ぶことがあります。多くの方がリスク=危険と感じるのではないでしょうか?
とすると「リスク商品」=「危険商品」となります。恐ろしいネーミングですね。
危険という文字が付いている看板を思い出してください。
【きけん あそぶな!】、【この先危険!】、【高電圧危険】・・・
どれも取り返しがつかないような悪いことが必ず起こる。とは言っていないものの、悪いことが起こる可能性が高いから、やるな!触るな!近づくな!というメッセージを感じます。
もし、日本人の多くの方々が、株や債券を「危険商品」と理解しているとしたら、資産運用をしない人が多いのは当然のことでしょう。
投資の「リスク」という言葉を「危険」と置き換えてよいものなのでしょうか?
それは、いけません!(きっぱり)
「危険」という日本語に対応する英語は「Danger(デンジャー)」であって、「Risk(リスク)」ではありません。しかしながら、「リスク」という意味を適切に伝える日本語を我々は残念ながら持ち合わせていないのです。
「Risk(リスク)」という言葉の語源は、イタリア語の「Risicare(リジカーレ)」です。
その意味をイタリア料理店のスタッフの方に教えてもらいました。
怖がって足を踏み入れなければ何も掴めない。
実行しなければ何も得ることができない。
たとえば、「宝物を探しに冒険に出ること」も
あるいは、「会社を作り、社長となって運営すること」も
そして、
「成長すると見込んだ会社にお金を使ってもらうため、株を買って株主となること」も
これらは、まさに「リスクを取る」という事です。
「投資」とは、「お金を資に投じる」という意味です。
投じる。という意味を調べてみると、「火中に身を投じる」というように、敢えてリスクを取りに行く。という意味が含まれていることが分かります。言葉に当たると大きなヒントが得られますね。
「リスク」という言葉にも、「危険」という言葉にも、目論見に対する不確実性が存在する。という意味が含まれています。だからこそ、慎重に前進していく必要があります。
「リスクを取る」とは、イチかバチかの賭けではありません。
投資も同じです。投資はイチかバチか、ではなく、しっかり情報を集め、研究し、自分の大切なお金を投じるにふさわしい会社かどうかを見極める必要があります。
「リスク」という言葉の意味が、だんだんわかってきました。
「リスク」とは、当初の期待や目論見に対する不確実性が存在する。という意味です。
ですから、金融商品である株式や債券などを「リスク商品」と呼ぶ意味は、
『この商品は、購入するときに期待した利益の大きさが予想を上回ったり下回ったりする可能性がある。そういう不確実性を持った商品ですよ。』
という事です。
後編は、投資の「リスク」をもっと詳しくお伝えします。
リスクって何だ? ~後編~
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